DJI Matrice 4T/4Eとは?違い・スペック・価格・活用例を解説【2026年最新】

夕暮れの現場を飛行するDJI Matrice 4シリーズ

DJI Matrice 4(マトリス4)シリーズは、2025年1月に発表されたDJIの小型産業用ドローンです。赤外線サーマルカメラを積んだ点検・捜索向けの「Matrice 4T」と、測量・マッピング向けの「Matrice 4E」の2機種があります。ドローンスクール千葉TBTでは2025年1月に取り扱い開始をお知らせしました。この記事では、2026年9月時点の公式情報をもとに、4Tと4Eの違い・スペック・価格・活用例、日本で使うときの注意点をまとめます。

この記事でわかること
  • Matrice 4シリーズの位置づけ(Matrice 4D/4TD・Matrice 400との関係)
  • 点検向け「4T」と測量向け「4E」の違い(比較表)
  • 主なスペック・機能と価格の目安(2026年9月時点)
  • 日本で使うときに必要な手続き(機体登録・電波法・飛行許可など)
目次

DJI Matrice 4シリーズとは

Matrice 4シリーズは、広角・中望遠・望遠の3つのカメラとレーザー距離計を1つのジンバルにまとめた、重さ約1.2kgの折りたたみ式産業用ドローンです。DJIは公式サイトで「スマートマルチセンサー搭載 フラッグシップ コンパクトドローン」と紹介しており、Mavic 3 Enterpriseシリーズより上の小型産業機という位置づけです。

ただし、DJIの産業機全体のフラッグシップは、2025年に発表された大型機「DJI Matrice 400」です。また、ドローンポート「DJI Dock 3」用の派生機「Matrice 4D/4TD」も出ています。2026年9月時点では、Matrice 4T/4Eは「小型産業機の上位モデル」と考えるのが正確です。

【Matrice 4T(点検・捜索向けモデル)】

DJI Matrice 4Tの正面。赤外線サーマルカメラを含む4つのレンズとNIR補助ライトを搭載
出典:DJIストア

・可視光カメラ3つ+赤外線サーマルカメラ
・NIR補助ライトで夜間の視認性を強化
・電力、救命救助、公共安全、森林保全などに向く

【Matrice 4E(測量・マッピング向けモデル)】

DJI Matrice 4Eの正面。広角・中望遠・望遠の3カメラとレーザー距離計を搭載
出典:DJIストア

・メカニカルシャッター付き4/3型CMOS広角カメラ
・0.5秒間隔撮影、スマート3Dキャプチャーに対応
・測量、マッピング、土木建設、採掘などに向く

Matrice 4Tと4Eの違い【比較表】

2機種の違いは主にカメラです。機体の大きさや飛行性能はほぼ同じです。

項目Matrice 4TMatrice 4E
主な用途点検、捜索救助、公共安全、夜間監視測量、マッピング、土木建設、3Dモデル作成
広角カメラ1/1.3インチCMOS・48MP4/3インチCMOS・20MP・メカニカルシャッター
中望遠カメラ1/1.3インチCMOS・48MP(35mm判換算70mm)※共通
望遠カメラ1/1.5インチCMOS・48MP(35mm判換算168mm、最大112倍ハイブリッドズーム)※共通
赤外線サーマルカメラ640×512(高解像度モードで1280×1024)なし
NIR補助ライトあり(照明距離 最大100m)なし
レーザー距離計あり(最大1,800m)※共通
最大飛行時間49分(標準プロペラ)※共通
参考価格(税込)1,108,800円866,800円
出典:DJI公式スペックページ。価格はDJI正規代理店セキドのオンラインストア掲載価格(2026年9月25日確認)
ドローン博士

温度異常を見つけたい、夜間に使いたいなら4T。オルソ画像や3Dモデルを作りたいなら4Eが目安です。まずは業務で何を撮るのかをはっきりさせましょう。

Matrice 4シリーズの主なスペックと機能

共通スペック

  • 離陸重量:1,219g(標準プロペラ)
  • 最大飛行時間:49分/最大ホバリング時間:42分(いずれも標準プロペラ・無風時)
  • 最大水平速度:21m/s、最大風圧抵抗:12m/s
  • 動作環境温度:-10〜40℃
  • 映像伝送:O4 Enterprise。最大伝送距離は日本の基準(MIC)で12km(25kmは海外FCC基準の値)。日本では5.8GHz帯は使えません
  • RTKモジュール内蔵。GNSSとビジョンセンサーを組み合わせた測位
  • 障害物検知:全方向デュアルビジョンシステム(低照度対応の魚眼レンズ)+機体底部の3D赤外線センサー
  • 送信機:DJI RC Plus 2 Enterprise

Matrice 4Tの主な機能

  • 赤外線サーマルカメラ:640×512、高解像度モードで最大1280×1024。温度測定範囲は-20〜150℃(高ゲイン)/0〜550℃(低ゲイン)
  • NIR補助ライト:最大100mまで照らし、暗い場所でも望遠カメラで対象を確認しやすい
  • ナイトモード:フルカラーのナイトビジョンとIRカットフィルターで夜間の捜索などに対応
  • 熱画像の解析ソフト「DTAT 3.0」で、温度異常の箇所をマーク・分析できる

Matrice 4Eの主な機能

  • メカニカルシャッター付き広角カメラで、0.5秒間隔の高速撮影に対応
  • マッピング時の飛行速度は最大21m/s。3方向オルソキャプチャーで、1回の飛行で2.8km²のマッピングが可能(DJI公表値)
  • スマート3Dキャプチャー:送信機上でラフモデルを作り、構造物に沿った撮影ルートを自動で作成
  • DJI Pilot 2で撮影後に調査品質レポートを自動作成。購入すると写真測量ソフト「DJI Terra」のライセンスが1年間付く(DJI公式)

両モデル共通のスマート機能

  • レーザー距離計:対象物の位置・距離・面積をリアルタイムで測定
  • クルーズ:スティックを押し続けなくても一定方向へ飛行
  • FlyTo:指定地点まで経路と速度を自動で調整して飛行
  • スマートトラック:被写体を追尾し、ズームを自動調整
  • POI:指定した対象の周りを飛びながら継続観測
ドローン博士

前モデルのMavic 3 Enterpriseシリーズは可視光カメラが広角と望遠の2つでしたが、Matrice 4シリーズでは中望遠カメラとレーザー距離計が標準で加わりました。

モデル別の活用シーン

DJIが想定している用途をもとに、次のような活用が考えられます。

【Matrice 4T】
・送電線、橋梁、太陽光パネルなどの点検
・建物外壁の赤外線調査
・災害現場での捜索救助、夜間の監視・警備

【Matrice 4E】
・建設現場の測量、出来形管理
・オルソ画像や3Dモデルの作成
・地形調査、採掘現場の計測

アクセサリーと拡張性

【DJI AS1スピーカー】

機体上部にDJI AS1スピーカーを取り付けたMatrice 4
出典:DJIストア

・放送範囲は最大300m、1mの距離で最大114dB
・リアルタイム放送、録音メッセージ、テキスト読み上げに対応

【DJI AL1スポットライト】

機体上部に2灯のDJI AL1スポットライトを取り付けたMatrice 4
出典:DJIストア

・最大100m先の被写体を照らせる
・常時点灯とストロボの2モード
・ジンバルに連動してカメラの向きを追従

【D-RTK 3多機能ステーション】

三脚とサーベイポールに設置したD-RTK 3多機能ステーション
出典:DJIストア

・ベースステーションとして、複数のドローンをセンチメートル級で測位
・リレーステーションモードで飛行範囲を拡張(日本など5GHz帯に対応していない国・地域ではリレーモードは使えないとDJIが案内しています)

このほか、4G回線で映像伝送を補う「DJIセルラードングル2」(オプション)にも対応しています。

後継・派生モデルとの関係(Matrice 4D/4TD・Matrice 400)

Matrice 4D/4TD(DJI Dock 3用)

Matrice 4D/4TDは、自動離着陸・充電ステーション「DJI Dock 3」用に設計された派生機です。Matrice 4シリーズと同じ系統のカメラ(4TDは赤外線サーマルカメラとNIR補助ライト付き)を積み、IP55の防塵・防水性能を持ちます。送信機DJI RC Plus 2 Enterpriseと組み合わせて単独でも使えます。

国土交通省の「型式認証を取得している無人航空機一覧」によると、DJI Matrice 4D型・4TD型は令和8年(2026年)6月19日に第二種型式認証(第13号)を取得しています。一方、Matrice 4T/4Eは同じ一覧(令和8年6月19日現在)に載っていません。

Matrice 400(大型フラッグシップ)

Matrice 400は、DJIが「産業用フラッグシップドローンプラットフォーム」と位置づける大型機です。最大6kgのペイロードと最大59分の飛行時間を持ち、カメラやLiDARなどを載せ替えて使います。持ち運びやすさや導入費用を重視するならMatrice 4シリーズ、重いセンサーを載せたい・長時間飛ばしたいならMatrice 400、が大まかな目安です。

Matrice 4の価格と購入方法(2026年9月時点)

DJI正規代理店のセキドのオンラインストアでは、2026年9月25日時点で次の価格が掲載されています。

  • DJI Matrice 4T:1,008,000円(税込1,108,800円)
  • DJI Matrice 4E:788,000円(税込866,800円)

DJI公式サイトでは、Matrice 4T/4Eの購入者は最初の1年間「DJI Care Enterprise Plus」または公式延長保証を利用できると案内されています。予備バッテリー、充電ハブ、スピーカーなどのアクセサリーや、ソフトウェアを加えると総額は変わります。在庫や最新の価格は販売店にお問い合わせください。

ドローンスクール千葉TBTのドローン販売ショップでは、DJI製ドローンの販売と、機体登録・リモートIDの設定、登録記号ステッカーの作成、飛行申請のサポートなどを案内しています。Matrice 4シリーズの在庫・価格・デモについてはお問い合わせください。

日本でMatrice 4を使うときの注意点

  1. 機体登録とリモートID:100g以上の機体は国への登録が必要で、原則としてリモートID機能を備える必要があります(国土交通省 無人航空機の登録制度)。
  2. 電波法:国内では、技術基準適合証明等を受けた無線設備を使う必要があります(総務省 ドローン等に用いられる無線設備について)。国内正規品を選びましょう。DJIの仕様では、日本国内で5.8GHz帯は使えません。
  3. 特定飛行の許可・承認:人口集中地区の上空や夜間、目視外などで飛ばす「特定飛行」は、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です(国土交通省 無人航空機の飛行ルール)。4Tを夜間の捜索や監視に使う場合も同様です。
  4. 建物外壁の赤外線調査:建築基準法の定期報告では、令和4年1月18日の告示改正で「無人航空機による赤外線調査であって、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するもの」が調査方法として明確化されました。精度の判断には専用のガイドラインを参照する必要があります(国土交通省 定期報告制度における外壁のタイル等の調査について)。

業務で使うなら、機体の操作に加えて赤外線点検や測量の専門知識も必要です。ドローンスクール千葉TBTでは、構造物点検コース(赤外線診断)や測量コースなどの産業・ビジネスコースを開講しています。

Matrice 4シリーズのよくある質問

Matrice 4Tと4Eはどちらを選べばよいですか?

赤外線で温度異常を見たい点検、夜間の捜索・監視が中心ならMatrice 4Tです。測量やオルソ画像・3Dモデルの作成が中心なら、メカニカルシャッター付きの広角カメラを持つMatrice 4Eが向いています。

Matrice 4の価格はいくらですか?

DJI正規代理店セキドのオンラインストアでは、2026年9月25日時点でMatrice 4Tが税込1,108,800円、Matrice 4Eが税込866,800円です。アクセサリーを含めた総額は構成によって変わるため、販売店にお問い合わせください。

Matrice 4TとMatrice 4TDの違いは何ですか?

Matrice 4TDは、ドローンポート「DJI Dock 3」で自動運用するために作られた派生機で、IP55の防塵・防水性能を持ちます。2026年6月19日に第二種型式認証を取得しています。Matrice 4Tは送信機で操縦する持ち運び型のモデルです。

雨の日でも飛ばせますか?

DJI公式スペックの機体の項目には、Matrice 4T/4Eの防塵・防水等級は記載されていません。雨天での運用を前提にするなら、IP55のMatrice 4D/4TDなどを検討しましょう。

Matrice 4を飛ばすのに資格は必要ですか?

資格がなくても飛ばせますが、機体登録とリモートIDは必要です。人口集中地区の上空や夜間・目視外などの特定飛行では、国土交通大臣の許可・承認が必要です。国家資格(無人航空機操縦者技能証明)を持っていると、許可・承認の審査の一部が簡略化されるなどのメリットがあります。

マニュアルやカタログはどこで見られますか?

ユーザーマニュアルなどの資料は、DJI公式サイトのダウンロードページで公開されています。

まとめ

DJI Matrice 4シリーズは、3つのカメラとレーザー距離計を備えた小型産業用ドローンです。点検・捜索なら赤外線カメラ付きのMatrice 4T、測量・マッピングならMatrice 4Eが基本の選び方です。ドローンポートでの自動運用や重いセンサーの搭載が必要なら、Matrice 4D/4TDやMatrice 400も比べてみましょう。

ドローンスクール千葉TBTでは、機体選びや購入後の登録・申請のサポート、点検・測量の講習について相談を受け付けています。導入を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

ドローンスクール千葉TBTでは、ドローンの民間資格や国家資格が受講できます。

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